事故事例 1
 海外で購入した茶色の婦人コート。クリーニング後、クローゼットにしまっておいた。4ヵ月後出してみると、裾のあたりが黒く変色していた。
  原 因
 コートの表地は、2枚の布地を接着剤で貼り合わせ1枚の布にした(ボンデットファブリック)厚手のものでした。乾燥しにくい素材なのでクリーニング溶剤が生地に残っていたと思われます。保管中、生地に使われていた接着剤が溶剤の影響を受け、溶けて滲みだし、黒くなってしまったと思われます。
 クリーニング溶剤が残っていることがあるので、低温長時間の乾燥を心がけましょう。また、お客様には、ビニールカバーから出して風通しのよい日陰に3日間くらい吊るしてからしまうようアドバイスしましょう。



 事故事例 2
 クリーニング後、ジャンバーの生地全体にミミズ腫れのような凹凸がたくさんできていた。
  原 因

ジャンバーの生地は布の裏に合成樹脂膜を貼り合わせ、透湿防水の効果を持たせた(ラミネート加工)ものでした。合成樹脂膜の接着力が弱くなっていたため、クリーニングにより合成樹脂膜が剥がれ、ミミズ腫れのように生地が浮いてしまったものと思われます。
 合成樹脂膜の接着力が弱くなった原因としては経年変化、高温多湿状態、汚れの蓄積、クリーニングの繰り返しなどが考えられます。少しでも長く着用するためには、汚れはすぐ落とし、十分乾燥させてから保管するなど、取り扱いには十分注意するよう、お客様に説明しましょう。






 
  POINT!  
 


  コートやジャンバー等の生地には接着剤や合成樹脂が使われていることがあります。接着剤や合成樹脂の中にはクリーニング溶剤に弱く、溶けてしまったり、あるいは硬くなってしまうものがあります。 (硬化の例 ; ポリ塩化ビニール樹脂)
 また、合成樹脂の中には紫外線や水分などにより年々劣化してしまうものがあります。(例 ; ポリウレタン樹脂)

ところが、接着剤や合成樹脂の使用については表示義務がないため、コートやジャンバーのタグや縫い付け表示には記載されていないことが多く、見た目でも判りにくいものです。

 生地が 厚手であったり透湿防水などの効果をうたっているもの、合成樹脂を部分使いしているデザインのもの、薄手であっても裏表の色合いや風合いが異なるものなどは、タグ、表示や素材をよく見て、取り扱いには十分注意しましょう。
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++  用語解説  ++

 
  ボンテッドファブリック  
 


  2枚の布地を接着剤で接着したり、またはウレタンフォームを間挟み熱処理で接着して、1枚の布地としたものポリウレタン5%表示の場合が多い。
また、外国製品に多い。(イタリア製など)

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  ラミネート加工  
 


 ポリウレタンなどの薄いシートを織物やニット記事に貼り合わせる加工のこと。
接着方法には接着剤を使うものと、熱による接着とがある。

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